小規模事業者持続化補助金(第17回)

小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は、経済産業省が推進する、中小企業庁の支援策の一つです。この補助金は、主に小規模事業者が事業を継続・成長させるための支援を目的としており、新たな販路開拓や業務の効率化、IT活用などの取り組みへの投資に対して補助がなされる制度です。2025年2月現在、計16回に渡って公募されており、2025年度も第17回目以降が開催される見込みです。なお、その採択者数は3万件に及ぶものとされております(第12回~15回の採択者合計がおよそ33,000件ですので、3回から4回ぐらい公募されるものと考えられます)。
ここでは近く第17回目の公募が開始されることが見込まれる、本制度について詳しく解説してまいります。
対象となる事業者
小規模事業者持続化補助金の対象となる事業者は、以下の条件を満たす事業者です。
- 従業員数が5人以下(商業・サービス業の場合)
- 従業員数が20人以下(製造業・建設業・運輸業などの場合)
- 法人、個人事業主ともに対象となります。
具体的な業種には、製造業、小売業、サービス業、建設業などが含まれます。一方、農林水産業などの1次事業に従事されている方で、系統出荷による収入(JAのみを通じて販売を行っている事業者)のみの事業者は申請の対象外となりますので、お気をつけください。
補助金の目的と用途
持続化補助金は、事業者が新たな販路を開拓したり、業務効率を向上させたりするための支援を目的としており、以下のような用途で活用することができます。
- 販路開拓
事業の認知度を高め、集客力をアップさせるための広告やプロモーション活動に使えます。オンラインショップの開設やSNSマーケティングの活用もこれに該当します。 - 業務効率化
生産性向上のために、新しい機器やソフトウェアの導入、業務の効率化を目的とした設備投資に使える補助金です。業務のデジタル化や自動化のための投資も対象となります。 - 新商品・新サービスの開発
新しい商品やサービスを開発するための研究開発費用、試作・製作費用に対する補助金です。 - IT化の推進
ITツールやソフトウェア、機器の導入によって業務効率を向上させるための費用も補助対象です。これには、POSシステムの導入、クラウドサービスの活用、オンライン決済システムなどが含まれます。 - 店舗改装・設備投資
店舗の改装や業務に必要な設備の導入にも使用できます。これにより、店舗の外観を改善したり、機能的な設備を導入して生産性を向上させたりすることが可能です。
補助金の額と支援内容
持続化補助金には、通常の補助金と「特別枠」などの追加支援があり、支援内容は以下の通りです。
- 通常枠
通常枠では、経費の2/3(上限50万円)の補助金が支給されます。例えば、販促活動や業務改善のための費用に最大50万円まで補助が受けられます。インボイス特例対象事業者は100万円、賃上げ特例対象事業者は200万円、両特例対象事業者は250万円となります。 - 災害支援枠
令和6年能登半島地震等の影響を受けた小規模事業者等の事業再建に係る経費に、さらに高額な補助金が支給される場合があります。この枠では、経費の2/3(最大200万円)を支援することもあります。 - 創業型ビジネスコミュニティ型、共同・協業型
割愛。
応募の流れと必要書類
持続化補助金を申請するためには、以下の流れを踏む必要があります。
- 事業計画書の作成
補助金申請の第一歩として、事業計画書を作成します。どのような事業に補助金を使うか、目的や具体的な取り組み内容を記載します。 - 必要書類の準備
申請に必要な書類として、事業計画書、事業支援計画、経営状況に関する書類、税務関連書類(確定申告書等)が求められます。 - 申請書の提出
必要な書類がそろいましたら、Jグランツ経由でネット申請を行います。gbizIDプライムを取得するようにしてください。gbizIDプライムの登録に費用はかかりませんが、登録には郵送が必要ですので、3~4週間は必要であるとされております。 - 事業支援計画
事業計画の申請の前に、商工会議所や商工会が発行する「事業支援計画」を入手する必要があります。「事業支援計画」は申請者が事業営む市区町村における商工会議所ないし商工会へ事業計画書を持参し、商工会議所の担当者の審査を経て内容の確認を受けてから発行されます。 - 審査と採択
提出された申請書は審査されます。審査基準に基づいて、どの事業者に補助金が支給されるかが決定されます。 - 補助金の支給
審査を通過した場合、指定の方法で補助金が支給されます。
持続化補助金を受けるためのポイント
- 事業計画書の作成が重要
事業計画書は、補助金申請の中で最も重要な部分です。計画が具体的で、実現可能性が高いと判断されると、審査で有利になります。 - 必要書類の準備を早めに行う
申請書類は多く、期限も厳格に設けられています。必要書類を事前に確認し、準備を整えておきましょう。特に、商工会議所が発行する支援計画の受付は公募申請の期限の1週間前となっております。申請期限間際は商工会議所にも、申込みが殺到しておりますので、余裕を持った申請を心がけるようにしてください。 - 支援内容に合った使い方をする
補助金は目的に沿った使い方をしなければなりません。計画した内容に基づき、確実に実行できるようにすることが大切です。 - 最新の情報をチェックする
補助金には年ごとに変更があることもあります。最新の情報を常にチェックし、条件を確認してから申請するようにしましょう。
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、事業者が経営を安定させ、事業を成長させるための強力な支援策です。事業の種類や目的に応じた支援を受けることで、事業者は新たな販路開拓や効率化に取り組むことができます。申請には事業計画書や必要書類の準備が求められますが、しっかりと準備し、支援を受けることで、事業の発展に繋げることができます。
どのように申請すれば良いか分からない場合や、事業計画書の作成に不安がある場合は、専門家や支援機関に相談することも一つの方法です。持続化補助金を上手に活用して、事業の発展に役立てましょう。
弊所税理士は、2022年までに年2~3件程度の申請・採択実績があり、累計10件程度に及びます。ご用命の場合は、お問い合わせフォームにご連絡のほどよろしくお願い致します。